「熱が出てつらい。でも、解熱剤がいくつもあって選べない」
「胃への負担が気になるし、今朝飲んだ風邪薬と一緒に使えるのかも分からない」
そんなときは、今飲んでいる薬と持病などを確認してから、成分や製品の違いを見ると、店頭で相談しやすくなります。
この記事では、大人が市販の解熱剤を選ぶときによく迷う、アセトアミノフェンとイブプロフェンの違いを整理します。最後に、薬剤師・登録販売者にそのまま見せられる相談メモも用意しました。
先に確認:急な呼吸困難、意識がもうろうとしている、突然の激しい頭痛などがある場合は、薬選びを続けず119番へ。 発熱に伴う症状の緊急性を優先してください。[参考1]
解熱剤を選ぶ前に、まず確認したい3つのこと
1.今日は、どの薬を何時に飲んだ?
風邪薬や頭痛薬にも、解熱鎮痛成分が入っていることがあります。解熱剤を追加すると、成分や作用が重なるおそれがあります。
風邪薬や別の解熱鎮痛薬に、自己判断で解熱剤を足さないでください。
例えばイブA錠EXでは、服用中に他の解熱鎮痛薬・かぜ薬などを服用しないよう定められています。「成分名が違えば一緒に飲める」とも判断できません。[参考2]
すでに薬を飲んでいるなら、箱やお薬手帳を用意し、製品名・飲んだ量・時刻を伝えて相談しましょう。処方薬がある場合も、自分で中止したり、市販薬に置き換えたりせず確認してください。
2.持病や、薬で具合が悪くなった経験はある?
胃・十二指腸潰瘍、肝臓・腎臓・心臓の病気、ぜんそくなどがある人や、治療中の人は、購入前に伝えてください。
特に、解熱鎮痛薬や風邪薬でぜんそくを起こしたことがある場合は、「違う商品なら大丈夫」と選び直さず、医師・薬剤師に確認しましょう。イブA錠EXでは、このような経験がある人は服用できません。薬によるアレルギー歴も確認が必要です。[参考2・3]
「胃が弱い」「以前この薬で発疹が出た」など、分かる範囲の説明でかまいません。
3.妊娠・授乳中? 運転の予定はある?
妊娠中・妊娠している可能性がある場合や授乳中は、製品を選ぶ前に医師・薬剤師へ相談してください。
イブA錠EXは、出産予定日12週以内の妊婦は服用できません。 それより前の時期も自己判断で使えるわけではなく、服用前の相談が必要です。アセトアミノフェン製品でも、妊娠中は服用前に確認しましょう。[参考2・4]
また、解熱鎮痛薬の中には眠気を起こす成分を含むものがあります。運転する予定がある人は、商品名を最後まで確認し、その製品の使用上の注意を読みましょう。
アセトアミノフェンとイブプロフェンは何が違う?
どちらも、熱や痛みをやわらげるために使われる成分です。主な違いを、選ぶときに役立つ範囲で整理します。[参考3・5]
| 確認する点 | アセトアミノフェン | イブプロフェン |
|---|---|---|
| 主な働き | 解熱・鎮痛。抗炎症作用は強くない | 解熱・鎮痛に加え、抗炎症作用がある。NSAIDsと呼ばれる薬の仲間 |
| 胃への影響 | 胃への負担が比較的少ないとされるが、胃の病気がある場合は相談が必要 | 胃痛などの胃腸障害に注意が必要 |
| 購入前に伝えたいこと | 肝臓の病気、他の薬の使用、普段の飲酒状況など | 胃・腎臓・心臓などの病気、薬によるぜんそく歴、妊娠など |
| 製品を確認する例 | タイレノールA | イブA錠EX |
※表は注意点の一部です。両方に共通する注意もあり、実際に使う製品の説明書全体を確認してください。製品例は、表示を比べるために挙げています。
成分の違いが分かっても、それだけで「自分に使える」と決まるわけではありません。 同じ成分を含む薬でも、配合量や一緒に入っている成分、使用上の注意が異なります。

アセトアミノフェンには子ども向けの製品もありますが、タイレノールAは15歳以上が対象です。イブA錠EXも15歳未満は服用できません。大人用を減らして子どもに使うことは避けてください。[参考2・4]
迷いやすい場面では、ここを確認しよう
胃への負担が気になる
アセトアミノフェンを含む製品は、選択肢の一つになります。ただし、胃痛がある、胃潰瘍の治療中であるなど、事情によって確認が必要です。
「胃にやさしい」という表示だけで決めず、胃の状態と現在使っている薬を伝えましょう。飲酒量が多い人や肝臓の病気がある人も、先に相談してください。[参考3・5]
食欲がなく、空腹のまま飲みたい
製品の服用方法を確認してください。例えばタイレノールAは、風邪による悪寒・発熱時には、なるべく空腹時を避けるよう案内されています。イブA錠EXも、なるべく空腹時を避けて服用する製品です。[参考4・6]
「アセトアミノフェンなら、発熱時も空腹のままでよい」とは覚えないようにしましょう。食事や水分をとるのが難しいほどつらい場合は、薬を買うだけで済ませず、医療機関へ相談してください。水分がとれず尿が減るなどの変化にも注意が必要です。[参考8]
車の運転や機械の操作をする予定がある
イブA錠EXには、イブプロフェンに加えて鎮静成分が含まれます。添付文書では、服用後に乗り物や機械を運転・操作しないよう定められています。[参考2・6]
眠気を感じるかどうかで判断せず、禁止の記載があれば運転しないでください。名前が似ているシリーズ製品も、同じ注意書きとは限りません。
「よく効くもの」を選びたい
効き目が気になるときも、まず確認するのは自分が使用できる製品かどうかです。
熱だけがつらいのか、頭痛やのどの痛みもあるのか。すでに何を飲んだのか。こうした情報を伝えると、薬剤師・登録販売者が製品を確認する手がかりになります。
解熱剤は熱や痛みを一時的にやわらげる薬で、発熱の原因そのものを治す薬ではありません。熱が下がったことだけで、病気が治ったとは判断できません。[参考5]
箱と説明書は、この順番で確認する

- 使用上の注意:自分が服用できない条件や、事前相談が必要な条件に当てはまらないか。
- 効能・効果:和らげたい症状が対象になっているか。
- 成分・分量:何が入っているか。現在の薬と合わせて確認してもらう。
- 用法・用量:対象年齢、1回量、1日の上限回数、服用間隔はどう定められているか。
例えば、次の2製品でも服用方法は違います。
| 製品 | 対象年齢 | 1回量 | 1日の上限 | 服用間隔 |
|---|---|---|---|---|
| タイレノールA | 15歳以上 | 1錠 | 3回 | 4時間以上 |
| イブA錠EX | 15歳以上 | 2錠 | 2回 | 6時間以上 |
これは2026年10月22日にメーカーの公開情報で確認した例です。この表は2製品の併用方法を示すものではありません。 必ず手元の製品の用法・用量を優先し、他の製品に当てはめないでください。[参考4・6]
解熱剤を飲むタイミングと、相談する目安
何度になったら飲めばいい?
体温に加え、つらさや食事・睡眠への影響も確認します。発熱で休めないなど、体への負担が大きいときに、使用できる解熱剤で症状をやわらげることは選択肢になります。[参考7]
ただし、持病などで医師から指示を受けている場合は、その指示に従ってください。
飲んでも熱が下がらないときは?
早く効かせようとして、量を増やしたり、間隔を縮めたり、別の解熱剤を重ねたりしないでください。
改善しない場合の中止・相談の目安は製品によって異なります。イブA錠EXでは、3〜4回服用しても症状がよくならない場合は、服用を中止して相談するよう定められています。[参考2]
症状が強い、悪化している場合は、その回数まで待たずに受診してください。 発熱が続く・繰り返す場合も、市販薬を飲み続けず原因を確認しましょう。
急いで救急対応が必要なとき
急な呼吸困難、意識がおかしい、突然の激しい頭痛、胸を締めつけるような痛みが続くなどの場合は、119番へ。薬の効き目を待たないでください。判断に迷う場合は、地域の救急相談窓口へ相談できます。[参考1]
店頭でそのまま使える相談メモ

薬の成分を覚えてから相談する必要はありません。次の項目を、分かる範囲でメモして見せてください。
- 使う人:年齢/本人か家族か
- 熱の経過:いつから/測った体温/上がったり下がったりしているか
- ほかの症状:頭痛、のどの痛み、咳など/食事や水分をとれているか
- 飲んだ薬:製品名・量・飲んだ時刻/普段の処方薬や市販薬
- 確認してほしいこと:持病、アレルギー、薬でぜんそくなどを起こした経験
- そのほか:妊娠・授乳の有無/運転の予定
例えば、こう伝えられます。
「自分が使う薬です。昨日から熱があり、今は38度です。今朝飲んだ風邪薬の箱を持ってきました。胃の薬も処方されているので、解熱剤を追加してよいか確認したいです。」
これは相談の伝え方の例で、この条件なら薬を追加できるという意味ではありません。
まとめ|確認したいのは「成分」と「自分の状況」
大人の市販の解熱剤を選ぶときは、飲んでいる薬・持病や過去の副作用・妊娠や運転などの事情を先に整理しましょう。
アセトアミノフェンとイブプロフェンの違いを知ると、製品表示を読みやすくなります。最後は、実際に使う製品の説明書で確認することが大切です。
迷ったら、薬の箱やお薬手帳と相談メモを用意して、薬剤師・登録販売者に声をかけてください。
参考情報
製品情報・添付文書の確認日:2026年10月22日

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